藤の蔓から昔ながらの技法で糸を作り、その藤糸を風合いの良い絹織物に織り込んだ、遊絲舎ならではの袋帯です。
三椏和紙を経糸と緯糸に使い、藤糸と細いカベ糸で矢羽根文様を織り出した新感覚の帯です。
古事記の中巻(応神記)の物語から着想し制作しました。
カジュアルからセミフォーマルまで、四季にこだわらない袋帯として幅広くお使いいただけます。
全通柄で、太鼓と腹の矢羽根の部分に藤糸を織り込んだ袋帯です。
[ 藤布(ふじふ)について ]
縄文時代を起源に日本最古の織物として伝えられている「藤布」は、『古事記』に神話が記され、『万葉集』にも詠われています。
木綿の普及により途絶えたとされていたその古代布は、京都府北部・丹後半島の山里で静かに織り継がれていました。
春につける花の美しさからは想像できないような、強い生命力を持つ藤。
藤布を纏うことは、その旺盛な生命力にあやかるため、とも語り継がれてきました。
藤の蔓(つる)から、昔ながらの方法で糸をつくる。
それは本当に途方もない手間のかかる作業です。
ですが、そうしてできる糸だからこそ、古代の息吹きや悠久のロマンを感じ、「生命力」「生きること」を考えさせてくれるのだと思います。
藤布には、織物の原点となる自然と共生する精神が息づいていると感じます。
決して量産のできない稀少な藤糸。
代々受け継ぎ研鑽してきた絹織物の技に織り込んで、遊絲舎ならではの「藤布」を丹念に織り上げています。
●京都府指定 無形民俗文化財「丹後の藤織り」 (1991)
●京都府指定 伝統工芸品「丹後藤布」(2001)
[ 遊絲舎について ]
京都・丹後の地で100年以上にわたり絹織物を織る、帯の機屋です。
現四代目より、縄文の古から伝わる原始の織物「藤布」を継承し、藤の蔓の伐り採りから織りまで、昔ながらの技法を守ってつくっています。
絹糸、金糸、和紙など多様な糸を組み合わせて帯地を織る技術を背景に、緯糸に藤を織り込んだ、唯一無二の風合いと表情を織り上げます。
代々より受け継ぎ研鑽してきた絹織物の技と、消えゆく寸前に受け継ぐことのできた藤織りの技。
ふたつの伝統を融合させた織物が、末永い命を育み、暮らしに豊かな時間をもたらすことを願っています。
加工業者:遊絲舎
【注意事項】
実物と写真では、色などに差が生じる場合がございます。
お申込み後に、遊絲舎よりお仕立てに関してお伺いのご連絡をいたします。
[ お手入れについて ]
撥水加工を施しています。汚れた場合は軽く絞った濡れタオルで叩くようにして拭き取ってください。
また、高温のアイロンを掛けていただくと撥水効果や風合いが元に戻ります。(黒など色の濃い帯にはあて布をご使用ください。)
しわ伸ばしには高温のスチームアイロンをお掛けください。(黒など色の濃い帯にはあて布をご使用ください。)
【セット内容】
幅約31.3cm×長さ約456cm
【原材料】
分類外繊維(和紙)50%、絹40%、植物繊維(藤)5%、金属糸風[分類外繊維(和紙)・ポリエステル・レーヨン]5%
【発送方法】
常温
【申込可能期間】
通年
【配送可能期間】
1ヶ月以内に発送予定。在庫状況により2ヶ月程度かかる場合もございます。
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